スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針

2021年3月、特許庁・経済産業省より、「スタートアップとの事業連携に関する指針」が公表されました。同指針は、「AI・データの利用に関する契約ガイドライン1.1版」でも指摘されていた、実務におけるスタートアップと事業会社の連携において度々見られる問題をクリアして、オープン・イノベーションを目指すべく、作成されたものです。さらに「研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書ver1.0」も公表され、スタートアップと連携事業者との間であるべき契約の姿・考え方を示すことが目的とされていました。

 

同指針は、翌2022年大幅にアップデート・改称され、2022年3月、「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」として公表されています。同指針では、NDA、PoC契約、共同研究契約及びライセンス契約の4つの契約段階ごとに、「スタートアップの取引慣行に関する実態調査報告書」に基づく事例及び独占禁止法上の考え方とともに、各契約段階における取引上の課題と解決方針が示されています。さらに、スタートアップと連携事業者との事業連携及び出資者との出資契約に当たって参考となる各種ガイドライン等が示されています。さらに「研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書ver2.0」も公表され、AI編ではNDA、PoC契約、共同研究契約及びライセンス契約の4つについて、モデル契約のタームシート及び逐条解説が公表されています。